伏見恵理子

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Texts


2015.7

 物として決まったサイズを持たない文字をモチーフとするような感覚で、形の内部にある何か広い風景を見つけたくて描いている。

 私の作品制作は、手のひらサイズの紙に描いた絵を基準点にしている。机に水平に置いた紙に擦りつけるように描いたときに筆跡となった滲みやかすれを、浸透性が異なる素材である画布にサイズを拡大して描いていく。紙の上のにじみやかすれといったテクスチャーを見直し、うつしとろうとするときに、紙と画布のしみこみの差は2つの絵の質にずれを生じさせる。あらかじめ絵にあった形象の意味は解体され、離れたものがくっついたりして、やがて新たなイメージを想起させる形が生まれてくる。
 ここで制作の意思決定の一部は、私以外の何かによって方向づけられている。それは自らの内部に外部を含む感覚であり、異なるものの間の移行において2つが似ながらもずれていくことによって、既知の風景から未知の風景が生まれることを望んでいる。



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「文字の風景」について   2014.5.18

 物理的なサイズを持たない、「文字」をモチーフとして描くように、その絵が何を表しているかという表象を超えて、そこに内在する広い風景を見つけるような思いで描く。
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